分泌機構

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植物細胞におけるタンパク質分泌機構の解析
植物は地面に根を張り動かないイメージがありますが、植物の細胞内は原形質流動により活発に動いています。特に、ゴルジ装置や輸送小胞などの細胞内輸送系オルガネラは高速に動いているため、一般的な化学固定法では実際の動きを反映した超微形態を観ることはできません。そこで私たちは、生きた状態に近い細胞内輸送系オルガネラの形態を観察するために、高圧凍結技法を取り入れ、植物培養細胞や植物器官に最適な凍結・固定・包埋条件を検討してきました。この高圧凍結技法による電子顕微鏡観察と生細胞蛍光イメージングを組み合わせ、植物細胞におけるゴルジ装置から細胞外への物質分泌機構について解析しました。その結果、分泌性タンパク質や細胞壁成分は、ゴルジ装置の末端に位置する小胞塊状のトランスゴルジ網、およびゴルジ装置と離れた小胞塊状の構造体にあることがわかりました。この小胞塊状の構造体は、細胞内を高速で動き回り、最終的には細胞膜および細胞板に融合していたことから、タンパク質や細胞壁成分の分泌を担う構造体であることが判明しました。私達はこの構造体を分泌小胞塊(Secretory Vesicle Cluster: SVC)と名付け、SVCが植物細胞の分裂と伸長という増殖に不可欠な現象に深く関わっていることを確かめました(Toyooka et al., Plant Cell 2009)。→プレスリリース 2009
 タバコBY2細胞の広域TEM撮影により、SVCなど分泌系オルガネラの分布を明らかにしました (Toyooka et al., Plant Cell Physiol 2014)。
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