開発技術
質量イメージング(質量顕微鏡法・イメージングMS)
植物は細胞壁に囲まれているため、動物研究でよく用いられる凍結切片は、難易度が高く、容易に切片を作ることができませんでした。近年、川本法など凍結試料接着テープを用いた凍結切片回収法が発展し、堅い植物組織への応用が可能となってきました。
私たちは、高性能クライオスタットを用いて植物の凍結切削法の高度化し、レーザーマイクロダイセクションを用いたトランスクリプトーム解析に最適な組織および細胞を探索するとともに、高品質のRNAを回収するための固定法や凍結切片作製法の条件検討を行ないました。さらに、凍結切片を質量イメージングすることで低分子化合物の組織内分布を検出する方法を検討しています。
当センターの中林亮研究員、斉藤和季グループディレクターらと、超高分解能質量分析装置を用いてイメージング質量分析(IMS)の分析基盤を確立し、蓄積分布の可視化に成功しました。→プレスリリース (2017) また、薬用資源として重要なインドールアルカロイドを標的としたメタボローム解析手法を開発し、薬用植物のニチニチソウを使った実験により、モノテルペンインドールアルカロイドの探索(組成や構造の同定、蓄積分布の可視化)に成功しました。→プレスリリース(2020)