正解!

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透過電子顕微鏡 (Hitachi)
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透過電子顕微鏡 (JEOL)
解説:
透過電子顕微鏡(透過電顕、TEM)は、電子線を当てて、薄く切った試料や小さなものの通り抜けた影を撮影する顕微鏡です。
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上の写真は、シロイヌナズナの葉を光学顕微鏡で観察した写真です。緑色の粒々が葉緑体で、クロロフィルと呼ばれる色素を持っているため、緑色にみえます。
下の写真は、その葉緑体を透過電子顕微鏡で観察した写真です。光学顕微鏡より拡大してみることができ、葉緑体の中にあるチラコイドと呼ばれる膜構造や光合成で作られた白いデンプン顆粒など見ることができます。ちなみに、電子線は光(光線)より、波長が短いため、色はなく、白と黒で見えます。
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解説:
葉緑体を透過電顕で観察するには、電子線が通過できるほどの薄い切片を作る必要があるため、薬品で固定・アルコールで脱水して、プラスチックの樹脂に埋めます。そして、ダイヤモンドのナイフで髪の毛の1000分の1の薄さの切片を作って、透過電子顕微鏡で観察します。
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1. 植物の葉を細かく切って薬品で固定します。
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2. アルコールで脱水し、樹脂に入れて固めます。
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3. 樹脂に埋めた葉をウルトラミクロトームと呼ばれる機械で薄く切ります。
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4. ダイヤモンドの刃でおよそ100nm(ナノメートル: 1mmの1万分の1)の薄い切片を作ります。
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5. グリッドと呼ばれる金属でできた細かい網の上に載せて、鉛などの重金属で染色します。
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6. 透過電子顕微鏡で観察して、写真を撮ります。
私たちは、透過電子顕微鏡解析技術の開発、古典的な試料調製法から最新技法まで、観察する試料、特に植物の器官・組織・細胞に最適な電子顕微鏡観察するための技術開発を進め、基礎研究・共同研究に活用しています。 例えば、Eテレ NHK高校講座 生物基礎2018「葉緑体とミトコンドリア」で、当研究室で撮影したオオカナダモの葉緑体の電顕写真(TEMとFE-SEM像)が講義中に使われています。

関連サイト:
・当ユニット顕微鏡室 
技術開発 TEM構造観察法
・日本電子(JEOL)やさしい科学
 透過電子顕微鏡